わずか30分~1時間で結果が決まる昇進昇格面接。
失敗して同期に差をつけられるかもしれない昇進昇格面接。
たとえ出世欲がなくても、同じ働くなら少しでも多い給与をもらうために大事な昇進昇格面接。
「緊張せずに話せたらいいけど。。。」
「本番で頭が真っ白になりそう。。。」
何度受けても好きになれません。(っていうか、好きな人なんかいないですよね。)
信頼できる上司からもらったアドバイスをもとに準備ノウハウをまとめました。
これまでの昇進昇格面接の中心テーマは以下のようなものでした。
- 自身の成果や業績
- 具体的にどんな貢献ができたのか
- 理想のリーダー像、将来どんなリーダになりたいか
昇格昇進面接の説明ストーリー
- 自分の成果を定量的に説明する
- 成果を出す前の組織の課題を説明する
- 成果につながった自分の具体的な取り組みを説明する
- 新たな課題・チャレンジへの継続取組みを説明する
展開のあるストーリーなら、万一本番で緊張から頭が真っ白になりそうになっても思い出しやすいです。
そして、何よりも面接官に響きます。
面接で回答をはじめたら、集中力がMAXとなってあっという間に面接が終わったような感じになるはずです。
この記事を読むと分かること(After)
- 昇進昇格面接で準備すべきこと
- 成果・業績・貢献の説明ストーリーの組み立て方
※実践的な内容です
面接のQ&A準備
【最重要】成果説明のストーリーを組み立てる
以下の手順で説明ストーリーを準備します。
1. 自分の成果を定量的に説明する
面接官も緊張をほどこうとしてくれます。
続いて以下の質問ではじまることが多かったです。
ここで、回答にあたってまず気をつけることは、
定量的な成果を最初に述べる
です。
面接官は、面接での説明だけを聞いて成果のイメージをつかもうとします。
たとえ、相手が自分の仕事ぶりを知っていたとしても、丁寧な説明が必要。
なので、定量的な成果を最初に提示して面接官を自分の話に引き込むきっかけとします。
また、結論から先に伝えることがとても重要です。
相手に話を理解してもらいやすくなります。
例えばこんな感じです。
- 営業系の仕事であれば、「今期売上を3千万円達成しました」
- 商品開発の仕事であれば、「〇〇商品のリリースを計画より1カ月前倒してリリース月の売上5千万円達成を下支えしました」
- コールセンターを運営する仕事であれば、「今期のオペレータの生産性を前年比15%向上しました」
面接官が最後まで自分の成果をつかみにくい状態が続いてしまいますよね。
以下の定量的が情報がない成果と比較してみると違いが分かると思います。
例:
- 売上アップに貢献しました。
- 商品開発のリリースを遅延なく行いました。
- コールセンターの生産性を向上しました。
定量的な情報を入れることで、
と面接官の関心を自分の話に引き寄せることを心がけます。
2. 成果を出す前の組織課題を説明する
成果を出す前の組織課題を説明する
定量的な成果を述べた後、
「どんな課題が組織にあったのか」
「なぜその成果を必要としていたのか」
を面接官に伝えます。
たとえば、コールセンターの生産性を15%向上した成果であれば、
- 毎日、あふれ呼(つながらないコール・話中になるコール)が平均で1日100件あった。
- しかも、この数字は過去1年間上昇傾向にあった
など、成果の背景や課題を面接官に伝えます。
この背景や課題はできるだけ深堀りしておきます。
そんな質問にも答えられるように準備をしておくと説明に説得力が増します。
- まわりの人はこれまでずっと課題として見ていなかった
- まわりの人は課題に気づいていたけど後回しにしていた
など、いろいろあると思います。
よく考えて説明ストーリーの"あらすじ"を準備しておきましょう。
\要点がまとまっています/
3. 自分の具体的な取り組み内容を説明する
1で説明した自分の成果に至る具体的な取り組み内容を説明します。
ポイントは以下です。
最初に説明した成果との関連・因果関係を持たせて具体的な行動を説明する
面接官は、以下のような疑問を持ちながら受験者の説明を聞いています。
この取り組みの説明が面接の中で一番大切です。
このとき、仮に自分が知っている面接官が相手でも気を抜かないようにしましょう。
などと思ったらダメだと思います。
面接官はすべての受験者の仕事ぶりを知っているわけではありません。
平等性を保つために面接の説明で聞いた成果をもとに相対評価をするはずです。
仮に、すべての受験者の仕事ぶりをある程度知っていたとしても、把握のレベルにバラツキがあるので、やはり面接での説明内容を中心にジャッジするでしょう。
そして、成果の説明には以下を意識します。
- 粘り強さ、貪欲さ、泥臭さ、苦労が伝わるように説明する
- まわりの関係者を自ら巻き込んだことをアピールする
昇進昇格の面接では、
という点が見られています。
リーダータイプかどうかを見分ける材料は、周りの人を巻き込んで推進する力です。
たとえば、「オペレータの生産性を15%向上した」の成果に対する具体的な自身の取り組みとして、オペレータの対応フロー・スクリプトの不備を見つけ改善したことをアピールするとします。
このとき単に、
では、定量的な情報がないだけでなく、人を巻き込んだ苦労や泥臭さが感じられないため面接官の印象に残りません。
以下のほうが、”もがいた感じ”が伝わはずです。
生産性や顧客満足度を向上させるために、オペレータの対応フローやスクリプトを改善させることが以前からの自組織目標です。
しかし、この職場に就いてからオペレータの生の声を聴く機会がないことに疑問を感じました。
1-2年で多くがジョブローテーションするためか、担当内にスクリプト中身の詳細を把握している人もほとんどいません。
そこで、スクリプトの改善事項を見つけるために、パフォーマンスが高いオペレータさんに自分から声をかけました。
最初は少し面倒くさがられたのですが、ヒアリングの趣旨を伝えてコミュニケーションを重ねるうちに30分の打ち合わせ時間をようやく得て、商品Cの納期確認のスクリプトに改善事項があることがわかったのです。
スクリプトの修正にあたっては、在庫配送部門にも打ち合わせを自らお願いしてオペレータ目線での相談やを先方の困りごとも確認しました。
このような一連の取り組みの結果、スクリプトの変更前と変更後で1件あたりの対応時間が3分短縮されています。
商品Cの問い合わせは1日あたり平均100件コール。
トータルで約20名のオペレータ総稼働時間を1日あたり5時間削減できました。
最新のデータによると、オペレータのCPH(1時間あたりのコール受付数)も5.5件⇒6.2件と向上し効率化につながっています。
面接官にそう映ることが大事です。
4. 新たな課題・チャレンジへの取組を説明する
新たな課題にチャレンジしていることも加える
昇進昇格面接において、3の具体的な自身の取組みで説明を終わらないほうがいいです。
以前は、「過去の成果と取組みを説明しておけば十分なのかな」と考えていました。
でも、それでは不十分と上司が教えてくれました。
組織の運営はPDCAを常に回していますよね。
面接のストーリーも同様です。
と貪欲さと取組の継続をPRしたほうが面接官の受けが100%良いです。
そうすることで、
- 仕事に対する高い取り組み意識
- 問題意識の深さと貪欲なチャレンジ精神
が面接官に伝わりやすくなりますよね。
と他の受験者より印象深く面接官の頭に残りやすくなるはずです。
過去の失敗から感じていることは、想定質問を職場の先輩や上司から入手して、それっぽい回答案をただ用意しただけでは薄っぺらい回答になってしまいます。
きれいでもっともらしい答えが面接で言えたとしても、面接官の印象に残らないとうまくいかないです。
面接を受ける全員が想定Q&Aぐらいは必ず準備していますよね。
経営戦略や事業計画に載っている会社や組織の課題を面接で答えられても、面接官の印象には残りません。
自分の仕事をしっかりと振り返り、
『課題→自己の取組み→成果→新たな課題→自己の取組み→』
のPDCAスパイラルを、
評論家ではなく当事者として、
表面的ではなく深堀りして、
単独作業ではなく周りも巻き込んで、
行ったことをしっかりと説明できる準備が重要です。
小手先だけの対処、
苦労感もないありきたりで表面的な回答、
そんなふうにならないように気をつけましょう。
\昇任昇格面接の実用的な対策本 /
「理想のリーダー像」の回答準備をする
この質問も昇格昇進面接でよく聞かれます。
けれど、"自分なりの理想のリーダー像を描けているか"を面接官から見られています。
リーダーになったら「どんなチームにしたいか」、「どんなリードをしたいか」、「チームメンバからどう思われたいか」などをイメージして、そのリーダ像を言語化しておきます。
参考記事
\できる準備はやりましょう/
その他のよく聞かれる質問はまわりから情報収集する
職場で前回誰かが受けているかもしれないし、パターンが決まっている場合もありそうですよね。
昇進昇格面接でよく聞かれるテーマ
- 自己紹介(名前、所属、仕事の概要など)
- 会社・職場の今年度・来年度の事業計画・ビジネスプラン・業績
- 会社・組織の課題
- 自分が社長・組織長ならどんな会社・組織にしたいか
- ビジネスアイデア・新規事業ネタ
- 業界動向について感じること
- 注力テーマ
- チーム形成
- キャリアプラン(希望)
- なぜ役職に就きたいのか
- 自己の強み・弱み、長所・短所
- まわりはあなたをどう見ていると思うか
- 自分と合わない上司・部下への対処法
- 働き方改革
- コンプライアンス
面接のリハーサル
Q&Aの準備ができたら回答の練習(リハーサル)を何度も行います。
面接部屋の下見をしておく
使われていない時間帯にその部屋を事前に見ておきます。
部屋の広さを確認し、面接官との距離やレイアウトを想定しながら、椅子に座って姿勢を良くして面接官の質問に答えるイメトレもします。
声に出して説明練習をする
有名なミュージシャンでもライブ練習やリハーサルをきっちり行っています。
十分な準備ができると本番の緊張もやわらぎます。
また、声に出して練習することで、言い方や内容の変更をした方が良さそうな部分にはじめて気づけることもありますよね。
面接演習では、面接官役に協力してくれる人を探します。
上司、家族、友人、後輩など頼める人ならだれでもいいと思います。
また、同じように面接を受ける人と面接官役を交代しながらお互いに練習するのもおススメ。
ひとりで練習するときは、スマホに録音して自分で確認しましょう。
面接演習に協力してくれる人がいる場合、以下のポイントについてフィードバックをお願いするようにします。
- 説明のストーリーに分かりにくいところがないか、まわりくどくないか
- 話すスピードは適切か、早口になっていないか、しっかり通る声を出せているか
- アイコンタクトや表情に自信を感じられるか
面接本番で注意すること
面接本番で注意しておくことです。
ノンバーバルコミュニケーションに気をつける
見た目や声の印象です。
緊張により自身のなさそうな態度になってしまうと説明の説得力が下がり印象を悪くしてしまいます。
- 姿勢(ピシッと伸ばす)
- 表情(アイコンタクトを忘れず時々スマイルも)
- 声の大きさ(ぼそぼそと口先でしゃべらない)
- 棒読みで話さない(大事なポイントは強調して話せているか)
- 身だしなみ(スーツやブラウスにしわがない)
姿勢、表情、声の調子は、成果の説明ストーリーの出来具合も影響しますね。
オンライン面接:スクリプトの棒読みや顔が暗く映るのはNG
オンラインでは、対面に比べて面接官に届くノンバーバル情報も少なくなるので、特に顔の表情や声の印象が目立ちます。
そしてスクリプトの棒読みは絶対ダメです。
棒読みしているかどうかは、聞いてれば相手はすぐに分かりますよね。
自分の言葉で大事なところは強調して話せるように準備しておきます。
また、マイク接続や適切な音量確認、カメラを見ながらの説明練習も事前に行っておいたほうがよいです。
本番でてこずると気持ちが乱れてしまうことがあるからです。
さりげなく顔にライトを当てて、顔の表情が明るく見えるようにしておきます。
プロフィール写真と同様、顔への光の当たり方で相手に与える印象はゼンゼン違います。
圧迫面接も想定しておく
「ツッコミが厳しめ」
「説明に頷かない」
圧迫面接も想定しておいたほうがいいです。
ダイバーシティの促進、働き方改革、パワハラの社会問題化を考えると、圧迫面接は時代の流れに合っていないように思います。
でも、評価の差をつける目的から、詰問への"対処力"が確認される場合があります。
もし仮に圧迫面接であったとしても、面接官は「厳しいツッコミにどう答えられるか」を見極めたいがために芝居でそうしているだけ。
面接官 | 役割 |
面接官① 進行役 | ニュートラルに面接を進行 |
面接官② 質問者 | 共感 ・受容モード強めの聞き役、話しやすい雰囲気を醸し出す |
面接官③ 質問者 | 厳しめの突っ込み役、ほとんど頷かない |
圧迫面接をあらかじめ想定して、
- 回答案に「なぜ」「なぜ」を繰り返して深く準備をしておく
- 成果説明は物語の脚本を書くように準備しておく
- 何を言われても、反射で答えず間を取って考えを述べる
- 相手は役割を”演じているだけ”を忘れない
これらの対策でパニックを回避します。
「最後に何か一言?」は特になければ何も言わない
それまでの質問に対する回答が明らかに伝わってなかったり、短時間で補足できる説明ならまだ言ってもいいのかもしれません。
けれど、時間も押して残り1-2分だとしたら、そこから5分も10分も説明するのは自分のことしか考えていないように映る危険もあります。
また、「PRが不十分だったかも」と不安になって思いつきで何かを追加で言ったり、「一生懸命取り組みますのでよろしくお願いします」というようなことを言ったりするのも私はやらないです。
面接官の立場なら、命乞いのように”お願いされたから合格”とは逆にできないように思います。
あとがき:成果・課題・取組の密接な関連が重要
昇格昇進面接の説明ストーリー
- 自分の成果を定量的に説明する
- 成果を出す前の組織の課題を説明する
- 成果につながった自分の具体的な取り組みを説明する
- 新たな課題・チャレンジへの継続取組みを説明する
偉そうに書いてきましたが、私自身は「わずか1~2行の文で不合格通知!? 」という経験が何度もあります。
今の会社は面接が多めなため、1~2年に1回ぐらいのタイミングで今後もあると思います。
けれど、誰にとっても本当の評価は、1時間足らずの面接で見られた結果だけで決まるものではなく、周りでいつも一緒に仕事をしている人(職場の人、顧客、パートナーなど)が自分に対してどう感じているかのほうが重要だと思っています。
ただ、候補者全員のそれを相対比較で正しくはかれないから、面接という代替手段が存在しているだけ。
しかし、面接にも限界があるのでその”歪み”として仕事ができないのに運よく出世している人や反対に現場の評価は高いのにポストに就けない人が生まれるわけです。
そんな疑問もつい考えてしまいますが、答えが分からないことに頭をめぐらせても無意味です。
どんな結果でも『人間万事塞翁が馬』。
仕事なんて、経験と自信が重なる分野ならどこでだって働けるのです。
補足:給与UPが最重要ならスカウトメール受領の登録「だけ」しておく
昇格試験がうまくいくと給与も1段階上がります。
仕事において給与を増やすことが特に重要な場合、スカウトメールも登録しておきましょう。
うまくいけば転職で2段階給与がUPします。
それに、昇格試験に落ちたときに他のキャリアにも目を向けられて気分の落ち込み防止に役立ちます。
スカウトメールの効果
- スカウトメールがくる時期は、昇格試験の結果に関わらずキャリアについて幅広く検討できる
- スカウトメールがこない時期は、昇格試験に落ちても「今の仕事で引き続きがんばろう」と気持ちを切り替えやすい
企業ブロック設定で勤務先や見られたくない会社を指定して閲覧不可にできるので安心して使えます。
特に、評価結果に気分が振り回されやすいタイプの人は、登録しておくだけでメンタル安定に効果があります。
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